WTOならびにAPECという国際組織のメンバーである台湾の経済自由度は高く、国際情勢に従っており、財産権には完全な保護制度がある。米国のヘリテージ財団が公表した『2021年経済自由度指数』(2021 Index of Economic Freedom)によると、台湾は全184経済体の中で6位にランクされ、この指数の公表が始まって以来の27年で最高を記録した。その中でも「清廉な政府」の項目ではランキングが大幅に上昇、これらはすべて、経済の自由開放を進めた成果であり、また、清潔な政府と司法が努力を続けていることを明示している。そして、国際社会から肯定的な評価を得ている。
台湾は競争力を備えた投資環境を提供している。国民の租税負担率は日本や韓国、大部分の欧米先進国より低い。2018年から営利事業の所属税率は20%であるが、産業政策に基づき適切な租税優遇措置を提供。外国投資や貿易活動に従事する企業には二重課税の問題が発生するが、それを解決するために台湾は他国との所得税協定締結を積極的に推進している。台湾が調印し発効した全面的な所得税協定は35にのぼり、海運・空運あるいは海空国際運輸業にかかわる所得に対する課税の相互免除協定は13を数える。
2021年8月現在における台湾の外貨準備高5,435億7800万ドルは世界第5位で対外純資産も豊富である。2021年7月現在、国内銀行の平均不良債権比率は0.21%であり、目安の上限2%より低い。また、2021年第1四半期における国内銀行の平均自己資本比率は14.77%で、目安の下限8%を上回っており、対外支払い能力が良好であることを顕示している。
台湾は巨額の経常黒字を計上、資金流出の衝撃を吸収することが可能であり、このことが信頼の危機というリスクを低減するのに資している。景気の下降はまた同時に次の成長を生み出すのであり、台湾の経済体質は相対的に他の新興国家より健全である。なおかつ、銀行システムにおける流動資金も比較的潤沢であり、景気回復後には新たな成長要因が出現すると予想される。
台湾のイノベーション能力・製造面での実力および台湾企業がアジアのサプライチェーンにおいて持つ優位性により、多国籍企業は、台湾を中国大陸やアジア新興市場に進出する際にその基地にしたり、さらには世界と一体化するプラットフォームにすることができる。下記は台湾がアジア太平洋地区の資金調達センターになる有利な条件である。
さらなる詳細は、金融監督管理委員会(日本の庁に相当し、委員長は閣僚)銀行局、証券期貨局(証券・先物局)、台湾証券交易所(台湾証券取引所)、財政部賦税署(財務省租税庁)および中央銀行のウェブサイトを参照。