「営利事業」とは、公営、民営または公民営で、営利を目的として営業許可番号または営業場所を有し、単独出資、パートナーシップ、会社およびその他の組織体の形態で工業、商業、農業、林業、漁業、牧畜業、鉱業、冶金業に従事する営利事業を指します。台湾内で経営する営利事業はすべて営利事業所得税(法人税)を課せられます。
総機構(本部)が台湾にある営利事業者(外国企業の台湾子会社を含む)は、台湾内外全ての営利所得に対して、営利事業所得税が連結課徴されます。ただし、台湾外での所得であり、所得源泉国の税法規定に基づいて所得税を納付した場合、納税義務者が所得源泉国税務機関から発給された同一年度の納税証明を提出し、要納付税額からこれを控除することができます。控除額は、その国外所得を加えて台湾の適用税率で計算した要納付税額の増加分を超えてはなりません。
本部が台湾以外にある営利事業(外国企業の台湾支店など)の台湾源泉所得は、台湾内の営利事業所得とみなし、「所得税法」の規定に基づき営利事業所得税が課せられます。
会社組織は発生主義会計の会計原則を採用する必要があります。非会社組織は許可を得て現金主義会計を採用することができます。営利事業の収益、原価、経費、損失の計上について税法と財務会計準則の規定が異なる場合は、税法の規定に基づいて簿外調整を行う必要があります。
所得税法第四条、第四条の1、第四条の2および第四十二条の規定に基づいて、営利事業にかかわる非課税所得を以下に列記します。
営利事業が経営する本業および付属する業務にかかわる費用および損失について、適正かつ合法的な証明書類がある場合、営利事業の費用および損失として計上することができます。つまり、税法規定に合わない費用または損失は、課税所得の控除項目として計上することはできません。例えば、税法が定める限度額を上回った部分や費用の証明書類が税法規定に合わない場合などは、いずれも簿外調整を行う必要があり、当期の費用または損失として計上することはできません。
固定資産の減価償却方法は、定額法、定率法、級数法、生産高比例法、時間比例法またはその他所轄機関が認定する減価償却方法に準じます。資産の種類が多い場合は、分類項目毎に合計することができます。
各種固定資産の耐用年数は、固定資産耐用年数表の規定に基づきます。ただし、水質/大気汚染防止のために増設する設備については、その耐用年数を2年間短縮できます。
一般資産の減価償却を計算する場合は、実際の原価で減価償却費を償却します。ただし、営利事業が乗用車を新規購入する場合は、その実際の原価が財政部規定の限度基準を超えないものとします。限度額は以下のとおりです。
売掛金および受取手形の見積額は、予測される貸倒引当金を差し引いた金額を基準とします。所得税法の規定に基づき、その貸倒引当金は売掛金と受取手形の合計額の1%を上限として見込計上します。また、金融業者はその債権額について上記上限に応じて見込計上するものとします。
営利事業が法に基づいて申告できる実際の貸倒率が前述の基準を上回る場合は、過去3年度に法に基づいて申告した実際の貸倒率の平均を限度として見込計上することができます。
売掛金、受取手形および債権が以下のいずれかに該当する場合、実際に貸倒が発生したとみなすことができます。
前項の債権が損失計上した後に回収された場合は、回収された年度にその回収額を収益として計上する必要があります。
前年度までの事業損失を当該年度に算入することはできません。ただし、会社組織(外国企業の台湾支店を含む)の営利事業で、会計帳簿が完備しており、事業損失および控除申請の年度にいずれも所得税法第七十七条に定められる青色申告書を使用しているか、または会計士の監査を受けているうえ、期限内に申告を行っている場合は、管轄税務機関の審査確定を経た、直前の10年間の事業損失を当該年度の純利益から控除したうえで所得に課税されます。
ミニマムタックス制度(最低税負担制度)は、租税減免の適用で税負担が少ないまたは免税の企業にも、最低限の税金を納付させる税制です。租税の公正を期し、国家税収を確保するため、能力のある納税者に国家財政への基本的貢献を果たさせることを目的としています。
ミニマムタックス制度-「所得基本税額条例」は2006年1月1日から施行されています。同条例の課税対象は「基本所得額」です。最低限納付しなければならないミニマムタックスは、基本所得額から控除額を引いた後に税率をかけた金額で、これを「基本税額」と呼びます。営利事業に租税減免措置の適用がない、または適用されているが納付する一般所得税額が基本税額を上回る場合は、ミニマムタックスを申告する必要はありません。さらに、「所得基本税額条例」第三条第一項に該当する営利事業も、ミニマムタックスの適用から外されています。営利事業の基本税額は以下のように算出します。
2023(含め)年度以後:基本税額=《(所得税法で算出された課税所得額+所得基本税額条例第七条第一項で加算が規定されている各種減免税対象の所得額)-60万元》×12%
さらに、2013年からは長期保有奨励金として、営利企業が3年以上保有する株式の取り引き収益、控除の年に3年を超えて保有した株式の売り出すによる取り引き損失差し引いた残高の半分が、当年度の証券取り引きの収益に算入されます。
営利事業所得税の課税所得額、課税区分および累進税率は次のとおりです。
課税所得額区分(元) | 税率 |
---|---|
~120,000 | 免税 |
120,001~ | 課税所得額全額に20%を課す。ただし、要納付税額は課税所得額から12万元を差し引いた金額の半分を超えてはならない。 |
(年間営利事業の課税所得が50万元未満の場合は、年間の税率は2018年には18%、2019年には19%となります.2020年以降、税率は20%となりますが課税されます。 その金額は、12万元を超える収益性のある事業の所得税の半分を超えてはならない。)
課税所得 | 金額(元) |
---|---|
営業収益 | 100,000,000 |
マイナス:売上原価 | ( 40,000,000 ) |
粗利益 | 60,000,000 |
マイナス:営業費用および損失 | ( 35,000,000 ) |
営業利益 | 25,000,000 |
営業外収益 | 2,000,000 |
マイナス:営業外費用および損失 | ( 3,000,000 ) |
所得額 | 24,000,000 |
マイナス:10年繰越し審査確定済み事業損失の当該年度控除額 | ( 3,000,000 ) |
マイナス:非課税所得 | ( 4,000,000 ) |
マイナス:証券、先物取引からの所得 | ( 2,000,000 ) |
プラス:控除できない経費 | 1,000,000 |
課税所得 | 16,000,000 |
税率 | 20% |
差引所得税額 | 3,200,000 |
マイナス:源泉徴収税額 | ( 200,000 ) |
マイナス:暫定納税額 | ( 1,500,000 ) |
納付する額 | 1,500,000 |
「家屋税(家屋の土地取引所得税)」は2016年1月1日より実装して、そして2021年に修正され;同年7月1日発効、最新の規制の簡単な説明は次に示します:
以下、新税法による徴収する:
2011 年以降から、本社が中華民国の領土の中にあるだけではなく海運業を経営する会社はおよび特定の要件を合い、中央主務官庁によって承認されたの会社は、海運事業所得が船舶の純とん数に基づいて所得額を計算する; 海運事業所得以外の所得、当所得の計算は所得税法の下で規制します。
海運事業所得、船舶の純とん数に基づいて所得額を計算するというの一度選択すると、連続10年を使用しないとだめです。特定所定期間内、要件を満たしていない場合、中央主務官庁失効によって承認された会社、要件を満たしていない年度から連続5 年、上記の規定に従って申請できません。
財政部はすでに2011 年 8 月 4 日に「営利事業が所得税法第24条の四つ 営利事業所得額の計算の条項は実施に移されつつある」に基づいて、純とん数税制に合う用件の規範、適用船舶、海運事業所得の範囲、海運事業所得額の計算、申請の締め切りと手続きを掲載されました。重量税を適用する企業が規則によって交通機関の部門に申請して関連する証明を取得してから、関連書類を添付して地方の税務機関に報告します。
一般会計年度は所得税法の規定に基づき、1月1日~12月31日となっています。営利事業は設立当期に特殊な会計年度の採用を申請することができます。また、後日管轄税務機関の許可を得て、その会計年度を変更することもできます。
営利事業は必要書類をそろえ、営利事業所得税の暫定納税申告と年度末決算申告を行わなければなりません。また、総機関(本部)が台湾にある営利事業は、前年度の留保利益についても申告する必要があります。その申告の手順は以下のとおりです。
多くの国ではすでに移転価格に対する措置が打ち出され、関連企業間の取引を規範しています。台湾でも、所得税法第八十条(調査認定に関する規定)に基づいて「営利事業所得税にかかわる常規に合わない移転価格監査準則(以下、移転価格監査準則)」を発布し、関係者取引間に常規(慣習)に合わない取引が発生しているかを税務機関が監査する依拠としています。台湾の移転価格監査準則は先進諸国の移転価格関連措置や経済協力開発機構(OECD)の方法を多数取入れています。移転価格関連の規定は以下のとおりです。
所得税法第四十三条の1により、営利事業が台湾内外のその他営利事業と支配従属関係にある、もしくは直接的または間接的に他の事業の所有または制御下にあり、相互に収益、原価、費用、損益の配置に関して営業の常規(慣例)に合わない処理が行われ、納税義務を回避または減少させている場合、税務機関は当該事業の所得額を正確に計算するために、財政部の認可を受けて営業の常規に従って調整することができます。財政部は2004年12月28日及び2015年3月6日及び2017年11月13日及び2020年12月28日に「移転価格監査準則」を定めています。関係者間取引の営業の常規に合わない移転価格の調査および監査は同準則の規定に基づいて行われます。
「関連企業」とは、相互に支配従属または制御の関係を持つ営利事業を指します。いわゆる「営利事業が台湾内外のその他営利事業と支配従属関係にある、もしくは直接的または間接的に他の事業所の所有または制御下にある」とは、営利事業が相互に以下の状況を持つ場合を指します。
前述の状況以外に、個人または組織、機関、団体などに特定の事情がある場合も関係者とみなします。例えば、営利事業が基金会(財団)に寄付を行い、それが当該基金会の実収基金総額の1/3を上回る場合、当該営利事業と基金会は関係者となります。さらに、当該営利事業の董事長、総経理またはそれに相当あるいはそれより高い職につく者の二親等以内の親族も、営利事業の関係者です。
営利事業が規定基準に合う場合、所得税決算申告書或いは決算を提出する際に、定められた書式で関係者および関係者間取引の資料を開示するものとします。営利事業の責任者および会計責任者は前述の書類に署名捺印し、関連の情報をすべて開示していることを確認します。
制御された取引に従事する営利事業は、取引年度の所得税決算申告或いは決算を行う際、移転価格報告書を含む定められた根拠となる資料を提出しなければなりません。
一方、制御された取引の金額が財政部の定める基準に達しない場合は、移転価格報告の代わりに、価格が常規に合っている(独立企業間価格である)ことを証明できるその他の資料を提出することができます。
税務機関が「移転価格監査準則」の規定に基づいて調査を行う際、営利事業は税務機関が調査書簡を発送した日から1ヵ月以内に、前述で定めた書類を提示しなければなりません。特殊な事情のため期間内に提示できない場合は、提示期間が満了するまでに延期を申請しなければなりません。延長は1回のみで、期間は1ヵ月を超えてはなりません。
営利事業とその関係者との取引が所定の条件を満たしている場合、当該営利事業は規定に基づいて、予め当該管轄税務機関に事前確認協議を申請し、その独立企業間価格を定めることができます;営利事業は税務当局に予備会議を申請して、承諾を確認した後、事前価格合意の申請を出すことができます。
前述の事前確認協議の適用期間は、申請年度から3~5年を期限とします。ただし、申請する取引の継続期間が短い場合は、当該期間に準じます。申請者が事前確認協議の各条項を確かに遵守している場合は、適用期間が満了となる前に、事前確認協議の内容に影響を与える事実や環境に実質的な変更がないことを証明できる資料を添付し、当該管轄税務機関に適用期間の延長を申請することができます。当該管轄税務機関が検証・同意した場合は、再び事前確認協議を締結できます。ただし、延長期間は5年を超えないものとします。
申請者は事前確認協議が適用される各課税年度の決算申告期間内に、当該管轄税務機関に対して事前確認協議執行の年度報告を提出し、規定に従って定められた文書と報告書を保管しなければなりません。
2011 年以降、営利事業が関連当事者に対する債務の中で所有者の利益が一定の割合を超えると、超える利子部分の支給は費用又は損失としての明細することはできません。また営利事業がその決済を申請と報告場合、営利事業が関連当事者に対する債務の中で所有者の利益が占める比率と関連情報を明らかに決済という申請と報告書類に記事しなければなりません。そして銀行、手形金融会社、信用組合、金融持株会社、保険会社、証券会社では、上記の規定に適用されません。
財政部はすでに2011 年 6 月 22 日に「営利事業が関連当事者に対する債務の中でその利息支給は費用又は損失としての審査規範」を掲載されました。明らかに営利事業が直接または間接的に関連当事者に対する債務の中で、所有者の利益を占める比率は当規範決まってる 3:1 基準を超えると、超える利子部分の支給は費用又は損失の認定基準と計算式としてすることはできませんということを明示されました。
多国籍企業は、タックスシェルターに被支配外国法人(CFC)を設立し、剰余利益を当該外国法人に留保して、台湾株主への配当を避けることで、課税を回避することがよくあります。このような租税回避計画に対抗し、租税回避防止制度を改善するため、OECDの税源浸食と利益移転に関する行動計画の行動計画3を参考に、営利事業における被支配外国法人について定めた所得税法43条の3が、2016年7月27日、総統により公布され、その施行日が行政院により定められることになりました。行政院は2022年1月14日、2023年度からの施行を決定しました。
所得税法第43条の3の規定により、台湾企業とその関係者が台湾外で税負担が少ない地域の外国企業の株を50%以上持つとか制御されること出来る場合、制御された外資系企業と判定されます。
制御された外資系企業が当該年度の利益を分配せずかどうか、その留保利益について、規定に従って台湾企業の所得を見なす、営利事業所得税が課せられます。
居住者又は親会社が、国外のタックス・ヘイヴンにペーパーカンパニーという形で(子)会社を設け、これに各種権利の使用料などを支払ったりすることにより、居住国又は親会社所在国での課税所得を圧縮することが可能となる。これに対応するため、タックス・ヘイヴンに留保された利益について、居住者又は親会社に配当がされたものとみなして、これを居住者又は親会社の総収入金額に算入する制度が、タックスヘイヴン対策税制である。つまり、本国に本社を設ける企業が、海外の低税率国で実体のない子会社の所得を計上している場合、本国にその所得を合算して課税対象にすることになる。この合算課税の制度により、不当な節税策に対する牽制機能を働かせようとしている。
タックス・ヘイヴンに該当するかどうかの判定については、かつてはブラックリスト方式あるいはホワイトリスト方式が採用されていたが、現在は、実効税率などの形式要件に管理支配地基準など実質判定を加味して判定するのが主流となっている。 経済協力開発機構(OECD)と20カ国・地域(G20)に加盟する合わせて40カ国余りが、タックス・ヘイヴンを使った企業の過度な節税策を防ぐ税制を全面導入する見通し。日米英などが採用している課税の仕組みを、インドやオランダなどの10カ国以上が導入する方針。
健全な租税回避防止システムを強化するために、(OECD)と国連(UN)と台湾海峡両岸の租税協定を参照することによって、所得税法第43条の4の規定における実際的に管理される処所の規則を起草し、それが2016年7月27日に大統領が公布されたあと、発効日は行政院によって決定されなければなりません。
所得税法第43条の4の規定により、実際的に管理される処所が台湾内の外国企業の場合、台湾系企業と判定されます。居住国又は親会社所在国において当該年度の利益を分配せずかどうか、その留保利益について営利事業所得税が課せられます。租税協定による節税策を申請することができます。