2023-09-23
スイスのビジネススクールである国際経営開発研究所(IMD)が21日に発表した「世界人材ランキング(World Talent Ranking)2023」で、台湾は評価対象となった64の経済体のうち20位だった。アジアでの順位は1位のシンガポール(世界8位)、2位の香港(同16位)に次ぐ3位をキープ。以下、マレーシア(世界33位)、韓国(同34位)、中国(第41位)、日本(第43位)と続く。
今回のレポートは新型コロナウイルスによる影響の大きさを指摘。人材面での競争力は大多数の地域でコロナ禍前のレベルに戻っていないほか、世界景気低迷の影響で一部の経済体でビジネス面での信頼感が変動したことがランキングの大きな変化につながった。台湾も景気の鈍化により複数の指標で信頼感が弱く、全体としてのランクが昨年(2022年)から1位後退。三大指標である「①人材育成への投資」、「②労働環境の魅力」、「③人材の能力・技術レベル」のランキングは①が世界23位、②が同21位、③が同19位だった。
台湾は2016年に生産年齢人口(16歳から64歳までの人口)が減少に転じている。加えて今では国際的な人材の奪い合いにも直面。こうした中、人材がその力を発揮できる舞台と優れた就業機会を生み出すため、政府は「5+2産業イノベーション計画」、台湾へのUターン投資を行う「台商」(台湾資本ながら主に海外で活動する企業)に対する三大優遇策、そして「将来を見据えたインフラ建設計画」を推進し、産業の体質と投資環境を積極的に改善、人材のつなぎ止めと呼び込みを強化している。
国家発展委員会(日本の省レベル)によれば、こうした取り組みはすでに段階的な成果を挙げており、台湾は2021年のIMD人材ランキングで世界16位に上昇、それまでの10年で最高の成績を記録した。このところは世界のサプライチェーン再構築、ポスト・コロナ時代の世界的な景気の鈍化、インフレなどに直面する中、台湾の人材ランキングも若干後退しているが、政府はすでに「六大核心戦略産業」の発展に取り組み、デジタル・トランスフォーメーションと産業のレベルアップを進めているほか、「カギとなる人材の育成及び呼び込み計画」を通じて国内外の人材の質と量を拡充、世界とのリンクに努めている。
政府はまた、「人口及び移民政策の強化」を推進して外国籍専門人材の誘致を強化、華僑学生らの呼び込みとつなぎ止めを拡大。さらに外国人の技術者を積極的に活用することで、産業のニーズを満たし、ポストコロナの新たな時代に台湾の企業が安定して世界に展開し、全世界の重要な地位を維持できることを目指している。
Sources:Taiwan Today;2023年09月23日
資料來源: 国家発展委員会