2024-11-01
約8年に及ぶ日本側との協議と台湾が提出する科学的な試験での証拠などにより、日本の厚生労働省が10月30日、台湾産養殖ハタの「龍虎ハタ」とその加工品の輸入を認めた。(農業部サイトより)
約8年に及ぶ日本側との協議と台湾が提出する科学的な試験による証拠、そして昨年末に行われた日本側による実地調査の結果、日本の厚生労働省が10月30日、台湾産養殖ハタの「龍虎ハタ」とその加工品の輸入を認めることを関係各所に通知した。
農業部(日本の農林水産省に相当)によると、台湾産養殖ハタは主に「龍虎ハタ」(龍虎斑)、「タマカイ」(龍膽石斑)、「チャイロマルハタ」(青斑)の三種類で、そのうち「龍虎ハタ」が7割以上。かねてから「龍虎ハタ」の日本向け販売を試みる業者もいたが、親系統である野生のアカマダラハタが日本の規定では「シガテラ毒魚」とされていることから輸入が認められなかった。「シガテラ毒魚」とはその生息環境により天然毒のシガトキシンなどが蓄積している可能性のある魚のこと。
このため政府は2017年より国立台湾海洋大学に試験を依頼し、「龍虎ハタ」がシガトキシンを含有していないことを実証。さらに農業部農業薬物試験所が日本の簡易型検査キットを使用して、稚魚、養殖、活魚輸送される成魚、販売店での商品のサンプルを検査した結果、いずれもシガトキシンは検出されず安全であることが確認された。これらの試験結果は日本側に提供された。
日本政府は2023年末に衛生と養殖担当の調査員を台湾に派遣して実地で視察を行った。また台湾からその後、トレーサビリティや養殖環境における今年第1四半期から第3四半期までの有毒藻類のモニタリングに関する資料を提供した結果、10月30日、日本が台湾産養殖ハタの「龍虎ハタ」の輸入を認めることを正式に通知した。
農業部によると、「龍虎ハタ」、「タマカイ」、「チャイロマルハタ」などのハタは台湾にとって高い経済価値を有する主な養殖産業で、年間の生産量は1.8万トン、金額にして44億台湾元(約206億日本円)以上に達するという。
資料來源: 農業部