2024-11-28
新しく発行された台湾ミシュランガイド、素晴らしい年の幕開けでした。
『台湾ミシュランガイド2024』で星を獲得したレストランは5店純増して計49店、星の獲得数は4つ純増の60個となりました。いずれもミシュランガイドが台湾に上陸して以来7年で最高となりました。
一つ星レストランは合計41店あり、新たに10店増えました: A、Circum-、盈科(EIKA)、雋(GEN)、L'Atelier par Yao、MINIMAL、NOBUO、SENS、Wok by O'Bond、元紀(Yuen-Ji)の各店です。なかでもMINIMALは全世界で唯一、星を獲得したアイスクリームデザートプレートの店です。教父牛排(Danny’s Steakhouse)、Longtail、鮨野村(Sushi Nomura)の3店は星を失いました。
二つ星および三つ星レストランのリストは昨年と同じです。都市別では、2022年から評価対象に入った台南市は今年も星を獲得できませんでした。
今年のリストには3つの大きなトレンドがあります。
ミシュランガイドが各新興都市に進出した最初の5年間、上海、シンガポール、台湾を含め、星付きレストランの総数と星の総数は年々増加しました。しかし、ハネムーン期間を過ぎると徐々に修正され、特に今年は香港とマカオの星の数が28個の大幅減、シンガポールは1個減となりました。世界で最も多くのミシュラン星を獲得しているのは東京ですが、往年と比べると星数の減少は明らかで、星付きレストランの総数と星の合計数の減少はそれぞれ17店、23個を数え、激減しました。上海はかろうじて昨年と同じ数を保ちました。
今年のミシュランガイドが発表された他のアジアの都市と比べ、台湾は今年、星を獲得したレストランの数と星の総数が増加、まるでアジアのスターです。
台湾の高級レストランに長年関心を持ってきた、オンラインメディア「Taster美食加」の創立者高琹雯(Liz Kao)氏は、「ミシュランは気前がいいと思います」、「喜ばしいことに、台湾のケータリング業界は労働力不足などの困難に直面しているとはいえ、ミシュランは(過去数年)星を与えており、シェフに自分のビジネスを立ち上げ、エコシステムをより完全なものにするという希望を与えています」とコメントしています。
さらに高氏は、これはミシュランガイドの発表形式のギャップに反映されており、「今年のシンガポールは非常に惨めで、授賞式すら行われませんでした」と述べました。対照的に、『天下雜誌』の観察では、台湾の発表会では歓声が絶えず、ミシュランの大盤振る舞いに呼応して盛況でした。「契約更新の際にミシュランとオーナー(観光庁)がどのような新しい合意に達したのか、についてわれわれは知る由もありません」、と匿名希望のある美食家が現場で率直に語りました。
最近の業界で観察される重要なことは、高級レストラン界では人材の移動が頻繁なことです。多くのミシュラン級シェフが退職、自分の店を開いていますが、元の勤務先レストランはその星を失うことになるのでしょうか。
結果は、これらの星付きレストランでは残留したチームが、依然としてミシュランの星を保持しているのです。例えば、昨年末に料理長が交代した巴黎庁1930(1930 Paris)と、昨年5月にシェフ(料理長)が入れ替わった雅閣(Ya Ge)です。ただ、今年5月に創業者兼シェフの林明健氏が退職した一つ星レストランのLongtailだけが星を失いました。
「これらのレストランが依然としてミシュランリストに掲載されていることから、ミシュランの審査がレストランの総合力を重視していることを見て取ることができます。そのうえ、安定したチームがあってこそ、はじめてレストランが高いレベルのパフォーマンスを維持できることを強調しています」、とケータリング予約システムinlineの元台湾地区総支配人・蕭至瑋氏は分析しています。
今回は一つ星レストランが新たに10店増加、その多くが元の星付きレストランの有名シェフによる新規出店です。
たとえば、三つ星レストラン「頤宮(Le Palais)」の前シェフで人呼んで「アーリー・ブラザー」の陳泰栄氏がオープンした「雋」、二つ星レストラン「RAW」の前シェフ黄以倫氏が立ち上げた「A」、二つ星レストラン「祥雲龍吟(RYUGIN)」の前シェフ稗田良平氏がオープンした「盈科」、一つ星レストラン「請客樓(Guest House)」の前シェフ林菊偉氏が開いた「元紀」、一つ星レストラン「de nuit」の前シェフ呉定祐氏が出店した「SENS」、ミシュラン推薦のレストラン「蘭(ORCHID)」の前シェフ李信男氏が開いた「NOBUO」です。そのうち5店はオープンから1年しないうちに星を獲得しました。
フードライターの陳静宜氏は、「星を獲得したことから、生命力を感じます」、「彼らは大規模な組織やシステムから離れ、単独で活動しても以前と同じように星を獲得しています。これは、組織がシェフに活躍の場を与えることが比較的少ないことを示しています」と評しました。
有名シェフが去った後も多くのレストランは星を維持していますが、このような趨勢の中でオーナーは、いかにしてレストランの利益を最大化すべきか、またどのようにしてシェフの自己実現を補うことができるか、ということは考えなければならない点です、とのアドバイスを同氏は述べました。
台湾高級レストランの飽和危機
しかし、たとえ、今年、台湾がミシュランの星を獲得し光り輝いているとしても、台湾の高級レストランがまさに飽和の危機に陥り、高級レストランの持続可能な発展に一筋の影を落としていることは隠しようがありません。
新型コロナウィルス感染症流行期の高級レストラン開店ブームは、流行後の海外旅行ブームと重なっており、消費能力の高い人々は先を争って出国し飲食します。雨後の筍のように湧き出した高級レストランの供給は需要を上回っています。さらに、コロナ感染症の流行中、消費者は食事によりお金を使いたがっていましたが、高級レストランの価格の上限はますます高くなっていますし、流行後にインフレが進むなかでも試練に直面しています。
著名なフードライターの葉怡蘭氏は、「実際、誰もが食べ疲れています」、「ここ数年、台湾では高級レストランが最も繁栄し輝かしい時代を迎えました。しかし、新しく登場するレストランは多すぎますし、そのスピードも早すぎて、市場の需要がそれを消費できるようには見えません」、と率直に語りました。
台湾の人々が再び海外に行くと、高級レストランのベースとなる顧客は減少します。台湾を訪れる外国人観光客の目は小吃(軽食)にとまっており、高級レストランを愛顧していた以前のようではありません。葉宜蘭氏は、一部のレストランではコロナ流行前は外国人観光客が半分以上を占めていましたが、現在、この水準に戻ることは無理、と観察しています。
ますます価格に敏感になっている国内消費者を惹きつけるために、食べるのに3、4時間を必要としないショートメニューや、より手頃な価格のランチメニューを提供する高級レストランも増えている、と高琹雯氏は認めています。
そのため、たとえ、今回台湾で新たに多くのミシュランレストランがまた増えたとしても、「ビジネスの量は増えず、さらに多くの人が同じパイをめぐって競争します」、と高琹雯氏は心配そうに語りました。
光と影の共存、2024年台湾ミシュランガイドの最もよくできた描写です。
資料來源: 天下雜誌2024-08-27
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