2024-01-10
国家科学及技術委員会は昨年1月、科学技術研究のための米国との新たなプラットフォーム「Taiwan Science and Technology Hub」(以下、「Taiwan S&T Hub」)を立ち上げた。台湾と米国間の科学研究、学術、スタートアップ、人材育成などでの様々な交流と協力のリソースをまとめ上げたもので、昨年の6月と8月にそれぞれ米スタンフォード大学ならびにシアトルで開いた国際会議にはシリコンバレーとシアトルの科学研究や業界の専門家が先を争って参加した。台米の半導体技術の結びつきを引き続き拡大していくため、「Taiwan S&T Hub」では米国で毎年開かれる世界最大級のハイテク技術見本市「Consumer Electronics Show, CES」で、各国のハイテク企業やスタートアップ企業が最新技術や革新的な製品を展示することに着目し、8日(米西部時間)に「CES」の開催地であるラスベガスで「Semiconductors, Global Trends, and Taiwan」(半導体の世界トレンドと台湾)国際会議を開催、台湾の半導体の優位性と開発力をアピールした。
会議ではまず、国家科学及技術委員会・科学技術政策オフィス(OSTP)の楊佳玲副執行秘書が「半導体による台湾の産業イノベーション計画」のプレゼンテーションを行い、今年から向こう10年間に3,000億台湾元(約100億米ドル)を4分野に投じる台湾の戦略を紹介した。生成AIなどカギとなる技術を半導体で結び付け、産業全体のイノベーションを推進する。また、各国が先進的な技術と産業を発展させるために必要なサポートを提供する。ICに関する国内の有望なスタートアップを育て、国際的なベンチャーキャピタルを台湾に引き付ける。
生成AI及び次世代半導体が産業にブレイクスルーをもたらし、パラダイムシフトを生み出す世界の技術的なトレンドに呼応し、会議では「総統科学奨(賞)」をさきごろ受賞した、カリフォルニア大学バークレイ校の胡正明名誉講座教授と、AMD社のビデオカード部門の上級副総裁、David Wang氏が講演。さらに関連分野の著名な専門家や学者、スタートアップ企業の代表らがスピーカーを務め、「次世代半導体とその応用トレンド」について議論した。
米国からはスタンフォード大学電気工学科の黄漢森教授、シノプシス社の最高セキュリティ責任者、Deirdre Hanford氏、ARM社のシニア・バイスプレジデント兼クライアント事業部門のジェネラルマネージャーであるChris Bergey氏、イスラエルのスタートアップ企業、Chain Reaction社の共同創業者でCEOのAlon Webman氏らが参加。台湾からは国家実験研究院台湾半導体研究中心の侯拓宏主任、工業技術研究院の呉志毅バイスプレジデントらが出席した。
双方は台湾がいかにしてICの設計を深化させてきたか、EDA(電子設計自動化)に関するエコシステムの向こう10年間における発展、台米がそれぞれ強みを持つ分野での提携モデル(半導体のファブレス企業とファウンドリの継続、もしくはより効率的なビジネスモデルなど)、AIとブロックチェーンの応用及び安全性、台湾が向こう数十年間いかにして世界の半導体産業をリードしていくか、などについて意見を交わした。
会議では台湾のスタートアップ企業による「Pitch」(短いプレゼンテーション)も行われた。
Sources:Taiwan Today;2024年01月10日
資料來源: 国家科学及技術委員会