2021-07-26
経済部(日本の経産省に相当)が23日、「離岸風力発電区塊開発場址規劃申請作業要点」(洋上風力発電「ブロック開発」での発電所計画申請作業要点:以下「要点」)を発表した。業者の申請資格、発電所計画の基準、申請に必要な書類を明確にしたほか、開発業者が参考に出来るよう、洋上風力発電所の計画海域における「敏感区域」(環境保護目的のほか、国防部の射撃訓練区域、港湾・ふ頭、船舶の停泊地、漁場や航路、天然ガスのパイプライン敷設箇所など)を示した。申請の受理も開始。台湾における洋上風力発電開発の第三段階と位置付けられ、産業のサプライチェーン構築やアジア太平洋市場への進出を目指す「ブロック開発」が正式にスタートしたことになる。
経済部によると、今回の「要点」発表にあたっては関係省庁と協議を重ねて「敏感区域」に関する意思の疎通と整理を行った。今回、開発業者の計画に参考となる明確な材料を提示したことで、業者は「敏感区域」への資源投入を早期に避けられるほか、開発に関するトラブルや将来的な開発区域調整によって生じる時間やコストを減らすことが出来る。「要点」に関する詳しい資料は7月23日の行政院公報(日本の官報に相当)に掲載されており、洋上風力発電への参入を考える業者はインターネットでその内容を確認出来るようになっている。
このほか、経済部は行政手続きの効果的な簡素化に向けて関係省庁合同の審査メカニズムを立ち上げ、公文書が各担当省庁間で行き来する時間を節約することにした。経済部は今後、飛行、レーダー、軍事管制、建設制限及び禁止、船舶の安全などを目的とする主管機関を集め、各業者の申請案を一つの合同会議で審査する。そして各省庁の法令に合致していることが確認できればただちに行政院環境保護署(日本の環境省に相当)に報告し、環境アセスメントの実施につなげる。各省庁の意見は合同審査の段階で十分反映され、確認されているので、環境アセスメントの作業は環境と生態系の問題に焦点を絞ればよく、審査作業と認可までの時間を効果的に縮められる。
経済部は今回「要点」を公表したことで、台湾における洋上風力発電の第三段階「ブロック開発」のスタートを宣言した。また、過去の経験を踏まえて申請プロセスを積極的に改善、業者による作業の加速を助けると同時に行政資源も節約することで洋上風力発電設備の設置目標を計画どおり達成出来るよう後押ししていく。経済部は今後も既定のエネルギー政策を堅持して洋上風力発電の整備に全力で取り組み、台湾におけるグリーンエネルギーのニーズとサプライチェーンの発展を支え、持続可能な環境というビジョンを実現するとしている。
資料來源: 外交部