2021-07-08
行政院(=内閣)は、農業・漁業と発電事業を同時に行うソーラーシェアリングの普及を進めるため、すでにプロジェクトチームを立ち上げ、各省庁と地方自治体と協力し、行政手続きの簡素化を図っている。これを受けて経済部(日本の経済産業省に相当)でも、環境及び社会への影響評価を行うメカニズムを構築し、環境への影響が懸念される地域を排除し、審査の手続きを加速することで、太陽光発電設備の設置と環境が持続可能でインクルーシブな発展を遂げることができるようにしている。
行政院農業委員会(日本の農林水産省に相当)は農地の断片化を防ぐため、2020年7月7日より農業用地における太陽光発電設備設置に関する政策を調整し、2ヘクタール以下の農業用地は土地用途の変更を不可とした。つまり、農業用地における太陽光発電設備設置を制限した。
その一方で、再生可能エネルギーの比重引き上げへと、環境との共生への期待に応えるべく、経済部は「屋上型」の太陽光発電の普及を最優先項目に定め、太陽光発電の「屋上型」と「地面型」の設置目標の比重を2度調整した。つまり、「屋上型」の設置目標を、当初の3GWから6GWへ、さらに今年初めには8GWまで引き上げた。同時に、設置場所の対象を学校、国有地、農業用地、工業用地などの建築物の屋上にも拡大した。また、「地面型」については太陽光発電と環境の共生の道を模索するため、太陽光発電業者が問題のない土地での太陽光発電設備設置や、土地の活性化を優先的に推進するよう指導している。
このほか、政府は近年、養殖場でのソーラーシェアリングの普及にも力を入れている。経済部がまず、生態系、文化・歴史、社会などの多方面からチェックを行い、環境への影響が大きい地域を排除し、それ以外の養殖場にソーラーシェアリング専用エリアを設置している。安全や環境への影響を確認してから、養殖場でソーラーシェアリングを行う際の参考となる契約見本を作成し、漁民の権利や養殖場の環境の安全を保障している。養殖場でのソーラーシェアリング先行エリアは、2020年下期に4,702ヘクタールに達した。今年はさらに4,080ヘクタールの設置を目指している。
各方面の努力の成果もあり、太陽光発電の設備容量は今年6月までに6.62GWに達した。これは2016年の1.25GWの5.3倍に相当する。太陽光発電の普及と同時に、環境や社会との発展のバランスも考慮しながら、2025年までに太陽光発電の設備容量を20GWに引き上げるという目標に向かってまい進している。
Sources:Taiwan Today;2021年07月08日
資料來源: 経済部能源局