2018-10-01
行政院(内閣)科技会議オフィスによると、米国の多国籍テクノロジー企業、グーグル(Google LLC)のAlphaGoが囲碁の世界チャンピオンを破って以降、世界にはAI(人工知能)発展の新たな段階に向けての動きが生まれている。市場動向調査企業である米ガートナー(Gartner)社の予想では、全世界におけるAIチップの市場規模は今年、10億米ドルに達し、2022年には132億5,000万米ドルまで成長するという。
こうしたデジタル技術の発展トレンドを把握し、台湾製AIチップの世界での役割を拡大していくため、行政院は年初に「台湾AI行動計画」を承認したのに続いて、このほどリソースの共有と統合をさらに強化することにし、9月28日、「AI on Chipモデル計画準備チーム」を立ち上げた。これは経済部(日本の経産省に相当)の「AI領航推進計画(AIパイロット推進プロジェクト)」と科技部(日本の省レベル)による「半導體射月計画(半導体ムーンショットプロジェクト)」、「AI創新研究中心計画(AIイノベーション研究センタープロジェクト)」を緊密に結び付けるもの。
「AI on Chipモデル計画準備チーム」の主な特色は「5+2産業イノベーション計画」の推進と結び付け、大きな可能性を有する応用方法にフォーカスしてAIチップの設計とサービスのプラットフォームを立ち上げること。台湾の産業の強みをつなぎ合わせて相乗効果を狙う。また、同プラットフォームの推進、並びにAIチップの発展に関する共通の未来図を確認することで、世界をリードする台湾独特の産業チェーンを創り出し、世界のAI産業において、台湾とそのパートナーだけが持つ競争力を確保する。行政院科技会議オフィスは、「AIパイロット推進プロジェクト」によって将来を見据えた研究、人材の育成、科学研究計画を結合し、台湾がすでに持っている強みを基礎に世界的な競争力を持つ「AIチップモデル計画」を立ち上げることで、内外の産業がより多くの資源を投じるよう働きかけていく考え。
「AI on Chipモデル計画準備チーム」はこれから、「準汎用型AIチップ」、「ヘテロジニアス・インテグレーション(異種統合)AIチップ」、「新興の演算構造を有するAIチップ」、並びに「AIチップのソフトウェア変換環境開発」の4つの課題に向けて台湾における「AI on Chip」の未来図を描き出す。課題ごとに分かれたチームは科技部の「半導體ムーンショットプロジェクト」における学術界のパワーを幅広く吸収していく。そのうち「準汎用型AIチップ」では、特定のアプリケーションに向けたエッジコンピューティングの予測と学習のチップに注力する。「ヘテロジニアス・インテグレーションAIチップ」では異なるタイプのチップにヘテロジニアス・インテグレーション技術を用いることでシステムとしての能力を高め、消費電力を節減する。同時に小型化することで、より多くの場面でのAI技術利用を可能にする。
「新興の演算構造を有するAIチップ」の課題で強調するのは、チップの新たな構造や材料を開発することで、現在のAIの消費エネルギーと演算能力の限界突破につなげること。そして、「AIチップのソフトウェア変換環境開発」では、AIチップのソフトウェア開発に最適な環境を提供し、AIの使われるハードがその機能を十分発揮できるようにする。
「AI on Chipモデル計画準備チーム」は第1段階として、各課題の目標と応用範囲をまとめて専門家並びに業界と話し合い、研究開発のテーマと目標を定める。その上で、企業、法人、大学、専門的なコミュニティが「AIチップモデル計画」の準備及び関連の未来図作成に参与するよう呼びかけ、執行の効果と段階的な目標の達成度もフォローする。第2段階では、「AIチップ連盟」を正式に立ち上げる。先進的な研究、人材の育成、科学研究計画を結び付けることで資源の共有を実現し、国家レベルのAI研究ネットワークを構築する。同時に具体的なプロジェクトで世界とアクセスし、全世界のエリートを台湾に引き付ける。このプロジェクトはまた、経済部のAI関連プロジェクトと互いに協力し、最終的な効果の拡散と産業にとっての利益拡大を図る。
広報担当者:
行政院科技會報辦公室 陳琬儒
電話:0918-155-676
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経済部何彥慶
電話:0937-725-601
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科技部李俊和
電話:0921-129-957
電子メール: chhlee@most.gov.tw
Sources:Taiwan Today;2018年10月01日
資料來源: 行政院ニュース広報処