2018-10-16
中華民国全国工業総会とベトナム商工会議所(VCCI)は15日、「2018台湾越南産業合作論壇(Taiwan-Vietnam Industrial Collaboration Forum)」を台北市内(台湾北部)で開催した。
このフォーラムは、シンクタンクの中華経済研究院、アパレルメーカーの旭栄集団(New Wide Enterprise)、ベトナムの工商省工業局、ベトナム発明協会などの組織が、それぞれ台湾とベトナムの産業発展の現状、協力の展望、産業政策、協力モデルなどについて基調講演を行い、両国の今後の産業協力に可能な戦略と方向性を示した。
産業協力の分野では、台湾側の財団法人中華民国紡織業拓展会(TTF)、金属工業研究発展中心(MIRDC)、財団法人資訊工業策進会(III)、財団法人工業技術研究院(ITRI)、台湾智慧学習産業聯盟(Intelligent Learning Industry Alliance)など重要な組織や経済団体が、ベトナム側はベトナム繊維・アパレル協会(VITAS)、Ho Chi Minh City's Association of Mechanical – Electrical Enterprises (HAMEE)、ベトナム・国立技術推進センター(NACENTECH)、及び関連企業の代表らが出席し、今後の産業協力、ウィンウィンの創出などについて互いの意見を述べた。
このフォーラムでは「アパレル」、「軽工業の基礎技術」、「スマートシティ」の3分野について議論が行われた。「アパレル」分野では、双方が今後、世界最新のファッショントレンドについて情報を交流し、ベトナム側が台湾のアパレルメーカーが開発した最先端の機能性繊維を使用することで、双方の産業の実質的な協力と関係を強化することで一致した。「軽工業の基礎技術」分野では、双方が産業及び技術に関する情報の交換を強化することで、産業協力と人材育成を促進する。「スマートシティ」分野では、ベトナムが潜在力を持つ応用分野を探り、スマートキャンパス及びスマートラーニング産業の発展を支援する。
今回のフォーラムで台湾とベトナムは4項目の協力意向書に署名した。そのうち1つは、ベトナムHAMEEと台湾の金属工業研究発展中心によるもの。これは、双方の技術協力と人材交流が正式にスタートし、今後の企業間協力の基礎となることを意味している。このほかには、アパレル産業の技術協力に関する協力意向書が1つ、スマートキャンパスに関する協力意向書が2つとなっている。
このフォーラムは昨年初めてベトナムのホーチミンで開催。2回目となる今年は場所を台北に移して行われた。台湾とベトナムは正式な貿易協定を締結していないものの、アパレル産業、軽工業の技術移転、スマート照明などの貿易・経済分野で強い結びつきを持ち、今後も協力できる余地が大きい。
なお、2018年6月までの時点で、台湾からの対ベトナム投資は累計309億米ドルを超えており、ベトナムにとって台湾は投資額が4番目に多い外資となっている。台湾企業による第三地経由の対ベトナム投資を加えると投資額は500億米ドルを超える。これは現地に約140万個の雇用機会を創出している。
台湾とベトナムの貿易で、取り引きが最大なのがアパレル・繊維産業。この分野は、双方にとって貿易額が伸び、なおかつ貿易構造の相互補完関係にある。台湾の繊維生地にとって、輸出先のトップはベトナムで、その輸出額は22億米ドルに達する。ベトナムのアパレル(既製品)にとって、台湾は第2の輸出先であり、輸出額は3.8億米ドルに達する。台湾製の機能性繊維の価格は中国製より高いことから、ベトナムにとっては台湾製の機能性繊維を材料に使ったアパレル製品を海外に輸出すれば付加価値が上がることになる。これは、世界のサプライチェーンにおいてベトナムが重要なポジションを得るのに役に立つと考えられる。
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Sources:Taiwan Today;2018年10月16日
資料來源: 経済部工業局