2018-09-03
スマート機器産業での台湾と欧州の交流を深め、双方の実質的な提携を推進するため、経済部(日本の経産省に類似)の龔明鑫政務次長(副大臣)が8月25日から9月2日まで、台湾の産官に研究者たちの代表を加えて結成した「スマート機器産業提携代表団」を率いて欧州を訪問した。今回訪問したのは、フランスのダッソー・システムズ(Dassault Systemes)、シュナイダーエレクトリック(Schneider Electric)、エアバス(Airbus)、フランスの「IoT Valley」(トゥールーズ郡ラヴェージュ)の他、ドイツ機械工業連盟(VDMA)、バーデン=ヴュルテンベルク州経済省、シーメンス(Siemens)、友嘉MAG、ドイツの「Cyber Valley」と呼ばれる産業クラスター及びボッシュ・レックスロス(Bosch Rexroth)。
産業団体の交流では、「台湾智慧自動化与機器人協会(Taiwan Automation Intelligence and Robotic Association, TAIROA)」とドイツのドイツ機械工業連盟との交流を実現、双方の対話ルートを確立した。人材育成の面で双方が協力し、ドイツが製造業のデジタル化・コンピューター化を目指す「インダストリー4.0」のクラスをアジアで開く可能性もあるという。これにより、台湾と台湾企業で専門技術を持つ人材を育成、さらにはオートメーションエンジニアとロボットエンジニアの国際的な資格の創設を加速する。また政府間の接触としては、経済部とドイツのバーデン=ヴュルテンベルク州経済省が初めて公式な交流を行った。同州はドイツの情報通信、機械、人工知能(AI)産業並びに研究開発を担う重要な州。中華民国(台湾)と同州との公式なパイプが築かれたことは、台湾におけるスマート機器産業の技術向上、及び世界とのリンクに寄与する。
今回の訪問ではまた、財団法人工業技術研究院(ITRI)がフランスのダッソー・システムズと「スマート製造協力覚書」を、ドイツのシーメンスとは「スマート端末とプラットフォームに関する協力覚書」を締結した。
今後、台湾はドイツと協力し、台湾のスマート機器業者がクラウドプラットフォームのアプリケーションモールに加わるよう後押しし、ユーザー用にカスタマイズされた3Dソリューションを提供することで、企業が企業価値やイノベイティブな経営モデルを創り上げるのに協力する。また、シーメンスのクラウドベースのサービス型ソフトウェア、「SaaS」を通じて、台湾企業による機械同士のネットワーク(M2M)スマート製品と技術的なリンクを行い、スマート化された生産ラインに関するソリューションを共同で提供する。エコシステムの開放された工業クラウドプラットフォームと工業IoT(モノのインターネット)に関するソリューションを通じて、台湾の業者が工場のデジタル化を加速できるよう助けるという。
台湾のハイテク産業はこれまでハードが主だったが、デジタル時代の到来を受け、ハード面での実力を基礎にソフトパワーの経済を生み出していくことが、経済部が積極的に取り組む方向と戦略になっている。経済部は、ドイツとフランスが強みを持つ産業との技術交流を通じて、台湾の産業と国際的なスマート機器メーカー及び産業クラスターとのリンクを推し進め、台湾の企業が世界のサプライチェーンに加わるのを後押しする。また、技術面でも国際的な大企業と協力し、スマート製造のソリューションを確立することで世界の市場における影響力を強化し、台湾の機械産業にとって次の段階の成長エネルギーを生み出すとしている。
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Sources:Taiwan Today;2018年09月03日
資料來源: 経済部工業局