2018-07-24
世界的なデジタル化の趨勢に著目し,APEC(アジア太平洋経済協力)ビジネス諮問委員會(ABAC)は昨年,「デジタル·イノベーション作業部會(數字創新工作組,DIWG)」の設置を決定。これを受けて今年設けられたDIWGは19日と20日に,「第1回デジタルイノベーションフォーラム(數字創新論壇2018)」を台灣北部·台北市內で開催した.APECのメンバーである21の経済體の關係者500人以上が參加した。
台灣ネットワーク及びコマース產業発展協會(台灣互聯網與電子商務協會)の林之晨理事長は20日,「小よく大を制す小國済のイノベーションと野望」と題して行った講演の中で,「台灣はアジアの「ワカンダ」だ」と述べた。「ワカンダ」とは米マーベルコミックの映畫,「ブラックパンサー」に登場する架空の國家で,ア フリカに位置する王國という設定。數百年にわたって,「ヴィブラニウム 」 (架空の貴金屬)を採掘してきたことで,世界最先端の技術を有している。そして「ヴィブラニウム」の秘密を守るため,「ワカンダ」は誰にも知られず,第三世界に身を潛めている。
林之晨理事長は,「ワカンダ」は外から見れば第三世界に過ぎないが,最先端の科學技術を隠し持っているとした上で,台灣は建物や空港ターミナルが古く,人々は今も現金決済を行うなど,外から見れば時間が止まったように感じるかもしれないが,実は先進的なデジタル経済とサービスを持っていると強調した。林理事長はさらに,「ワカンダ」は各國による幹渉を避けているが,台灣は世界からの隔絕を望んでいるわけではなく,ただ台灣の人たちがもともと謙虛であること らその力を世界にアピールしていないだけだと分析した。
林理事長はまた,「ワカンダ」の「ヴィブラニウム」に対して,台灣にとって最も貴重な資產は「人材」だと指摘し,台灣がアップル,グーグル,マイクロソフト,NVIDIAなどの國際的な大企業にソフト面で様々なソリューションを提供していること,並びにこうした多くの企業が台灣に研究開発拠點を設けていることを說明した。
林理事長によると,台灣における電子商取引(例如コマース)の消費額はすでに実體のある市場の消費額の15%に相當する。この割合は中國大陸の12%,米國の8%を超えている。また,台灣における電子商取引市場の経済規模は世界9位で,インドや東南アジア市場をも上回るという。さらに台灣は,スマートフォンの普及率で世界最高であるほか,その使用時間も世界一。また,グーグルプレイの店鋪收入で世界上位 5位に入るほか,SNS(ソーシャル·ネットワーキング·サービス)の普及率もかなり高く,LINEやフェイスブックの使用率も世界トップだとのこと。
Sources:Taiwan Today;2018年07月24日
資料來源: 経済部中小企業處