2020-03-11
行政院(内閣)の蘇貞昌院長(首相)は12日の閣議で、経済部(日本の経産省に相当)による「水資源現況と展望」報告を受け、政府が前もって水不足に備える必要性を指摘した。蘇行政院長は、区域間での水のやりくり、ダムの貯水量制御、水道の常時減圧、灌漑管理の強化など各措置を行うことで、「遇枯不缺」(渇水期にも水不足が起きない)の目標を達成すると強調した。水資源の状況を把握するにあたっては交通部中央気象局(日本の気象庁に相当)が随時最新の気象予測を提供する。経済部は「春雨」(2月から4月にかけて降る雨)と「梅雨」(5月から6月)の実際の降雨状況に応じて同時並行的に検討し、臨機応変に取り組むことで、5月末までに1カ月以上もつだけの水を確保することを目標とする。
蘇貞昌行政院長は、これから各地で春の田植えが続々と終わりを迎えることに言及、経済部が行政院農業委員会(日本の農水省に相当)と引き続き連携して関連の措置を強化するよう求めた。今年の最初の稲作(一期作)を、灌漑を必要としない作物に転作した農家には耕地1ヘクタールあたり8万7,000台湾元(約30万3,000日本円)の奨励金を支給して渇水期の農業用水を減らすことについても引き続き農家への周知を図り、生活用水と工業用水のいずれにも配慮する。なお、新型コロナウイルス対策が現在の政府にとって最重要任務ではあるが、各省庁はアフリカ豚コレラの侵入阻止などそれぞれ担当する業務、及び安定した水資源の確保といった日頃からの重要業務を怠らないように努める必要がある。
蘇行政院長によると、政府が昨年の6月から今年2月末まで行ってきた節水措置で節約できた水の量は合計5億3,000万トン。水道の漏水率も昨年は目標(14.75%)を超える14.49%まで改善でき、これだけで2億3,000万トンの節水を実現したという。蘇行政院長は経済部に対し、台湾自来水公司(水道会社)と台北自来水事業処を今後も監督・指導していくよう求めた。
さらに蘇貞昌行政院長は、水資源に関する重要な各工事を加速するよう指示。これには年末に完成予定の桃園市から新竹県までの予備送水管や雲林県湖山ダムの第2導水管工事などが含まれる。また、石門ダム阿姆坪堆砂対策トンネル、南投県烏渓鳥嘴潭人工湖、翡翠ダム導水管などの工事は計画どおりの工期と品質で完成させなければならない。これらの工事は水資源の柔軟なやりくりに寄与し、より安定した給水を可能にする。
経済部によれば、昨年9月から現在までの降雨量は平均値を下回る。このため経済部では前倒しで対応、節水の取り組みを強化している。昨年6月以降、すでに28回に及ぶ水資源状況検討会議を開いて対策を練り、ダムの放水量管理、区域間での水のやりくり、農業での節水型灌漑、水道の減圧給水、産業での節水など様々な措置を行ってきた。また、天候に合わせて人工増雨も行ったことで、現在、主要なダムの貯水量は35%以上を保っている。全体的に昨年の同時期と同じレベルにあり、農業用水、生活用水、産業用水のいずれも正常に供給されている。
4月までは「春雨」期。中央気象局は3月と4月の降雨量を正常から少なめと予想している。このため経済部は、行政院農業委員会など関係省庁及び地方自治体、水を供給する側、使用する側と共に、降雨の状況に応じて必要がある場合は節水への取り組みをいっそう強化し、生活や防疫、農業、産業面への影響を抑えるという目標の達成を目指す。蘇行政院長はそして、人々が中央感染状況指揮センターの要請に応じてこまめに手洗いを行うよう呼びかけ、防疫のための水が不足する事態を心配する必要は無いと強調した。
Sources:Taiwan Today;2020年03月16日
資料來源: 行政院
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